患者さんの人格が尊重されるとともに、自らの意思と選択のもとに最善の医療を受けられることが必要です。患者さんの権利擁護に関しては、世界保健機関や国連などの国際機関から様々な指針が出されています。その中で特に有名なものは、医療における患者の権利の尊重を謳った「リスボン宣言」です。当院では、この「リスボン宣言」の精神を尊重し、医の倫理に基づいた医療を実践したいと考えています。そして、患者さんと医療従事者がともに尊重すべき権利や責任を次のように考えています。

患者さんの権利

1. 患者さん個人の人格が尊重される権利
   患者さんには、人格、価値観などを尊重される権利があります。
2. 良質で適切な医療を公平に受ける権利
   患者さんには、良質かつ適切な治療を公平に継続して受ける権利があります。
3. 自己決定の権利
   患者さんには、自己決定の権利があり、自らが受ける医療について、その効果、危険性、他の治療方法の有無等について十分に説明を受け、知る権利があります。
4. 選択の自由の権利
   患者さんには、受けたくない治療法を拒否できる権利と、医療機関を選択し退院や転院をする権利があります。加えて他の医師の意見（セカンドオピニオン）を求める権利があります。
5. 情報に対する権利
   患者さんには、自己の病気の診断・検査や治療の効果と危険性、病状経過などの情報について、十分な説明を受け、自由に質問し、必要な場合はカルテ開示等による情報提供を求める権利があります。
6. 個人のプライバシーが守られる権利
   患者さんには、自分の診療に関する個人情報や、プライバシーを保護される権利があります。
7. 尊厳に対する権利
   患者さんには、いかなる状況でも人間としての尊厳が守られる権利があります。
8. 病院に提言・相談をする権利
   患者さんには、病院に対し種々の提言をする権利があり、医療・福祉等について相談をする権利があります。

患者さんにお願いしたいこと

1. 自覚症状など治療に関する情報を、できる限り正確にご提供ください。
2. 理解できない説明には質問し、自分の病状や医療内容について理解を深めてください。また、説明を聞く際に不安等がある場合は、ご家族などと一緒に説明を聞いてください。
3. 他の患者さんにも適切な医療を受ける権利があります。お互いに診療の妨げにならないようにご配慮ください。

医療従事者の裁量について

私たちは、患者さん中心に医療を提供させていただきますが、

1. 社会一般常識に反するような要求
2. 臨床医学の常識の範囲を超えるような要求
3. 私たち医療従事者の尊厳を傷つけるような要求

などに対しては、応じられない場合があります。